（９月２７日（土）偲ぶ会にて読み上げたもの）　

　昭和５２年度入学の谷中でございます。
　私は現在、弘田くんと同じ広島市東区光町一丁目に住んでいます。弘田くんの最も近くに住んでいるＯＢです。
　弘田くんの２学年先輩で、３年生のときは「指導部長」という役職で踊りの責任者をし、弘田くんも指導しました。弘田くんとは「幹部と１年生」の関係です。

◎大学３年生のとき弘田くんを１年生で迎えました。
・弘田くんは最初はクラブにあまり顔を出さず、熱心ではなかったようでした。卓球部からも勧誘を受けていたようです。
・転機は夏休みでした。彼も私も広島在住で夏休みはクラブの部員も帰省して暇でした。私は大学へ行き弘田くんが来ていたので、２人で踊ろうと誘い、私が知っている曲でクラブでは教えていない曲を教えました。ルーマニアの踊りで「パイデューシュカ」だったと思います。それ以来、彼が熱心に踊るようになりました。
・冬場は１年生も上級生になる準備として、順番に指導の予行演習をする１年生コールの季節です。その「順番」や「曲名」は１年生皆の関心事でしたが、曲をあてる指導部長の私も随分悩みました。結局、１年生男性トップを弘田くん、曲名は私自身が１年生コールでやったものでルーマニアの「ホラ・ディン・ジュベガ」という曲でした。その判断基準は技術云々よりも「たくさん熱心に踊り込んでいる様子」でした。あくまで順番を決めるためですので、５４年度の皆さん誤解無きようお願いします。

◎２人で飲みました。
・私が卒業し、ＯＢとして彼と二人で飲みに行ったことがありました。場所は中区の中新地で、店の名前が「閑古鳥（かんこどり）」というスタンドでした。彼にとって「酒」と「カラオケ」の組み合わせは生まれて初めての体験でした。ちなみに彼がカラオケで歌った曲はロシア民謡の「山の娘ロザリア」でした。これはフォークダンス部でも踊る曲で、フォークダンス部では「アレクサンドロフスキー」の曲名で親しまれています。

◎卒業後のＯＢ会への関わり
・卒業後、私はＯＢ会の役員に就任しました。監査や副会長を経てＯＢ会長になり５年間努め、弘田くんに後任を託しました。彼も５年くらいで辞めるかと思っていましたが、部員の減少からフォークダンス部そのものが無くなるということもあり、弘田くんに現在まで務めてもらっています。その期間はＯＢ会史上最長記録を更新していると思います。

　弘田くんは後輩であり、ＯＢ会にともに関わったかけがえのない友でした。彼の心の中では私は先輩であり続け彼は後輩であり続けました。私はいつも「私の次は弘田」という思いでいました。
　私は昨年の２月に脳出血で倒れました。入院・リハビリを経てこの７月に職場に復帰しました。今回、彼が倒れたと聞き、「そこまで私を真似るのなら、私のように絶対に復帰しなさい。私がリハビリを厳しく指導するから」と思っていました。

　Ｓ５２年度　谷中

　創立記念パーティーで、「ホラ・ディン・ジュベガ」と「パイデューシュカ」を踊りました。右足が不自由な身にとってはフォークダンスを踊ることそのものがとても難易度の高いものでしたが踊りました。「弘田よ踊ったぜ」