8月は何かと心騒がしい季節です。
日本全体では6日に始まって、9日、15日と続き、私たちにとっては31日が新たに付け加わりました。

弘田会長、ご無沙汰しておりますが、お元気でしょうか。

あなたの声を聞かなくなって一年が経とうとしています。変わったところと、そうでもないところがあるかもしれません。あなたの心血を注いだOB会は、今年も年一回の開催を計画しています。ご安心ください。

人の記憶は、人それぞれ何かと強く結び付いているのでしょうか。一年前、あなたのはっきりしない容態と決定的な通告を聞いたのは、いずれもこの蒸し暑い夏の日でした。朝、通勤途中の強い日差しの中で、深い冷気を感じたことを思い出します。毎年この蒸し暑い夏が来ると、少し冷んやりしたものを感じ続けることでしょう。

さてOB会ですが、あなたの不在のあと少し現状を見つめてみました。現役がいないので有限であることは当然ですが、このまま成り行き任せだと結構短命ということが分かりました。さらに、ある幸運があったため今も存続してますが、それがなかったらこのタイミングで財政的には解散となっていたかもしれません。まさに私たちの意識を揺さぶるという意味で2014年はエポックメーキングな年でした。
また、ご両親のお気持ちを寄附の形でいただき、それに会員有志からの寄附も加えて、『弘田基金』を創設しました。あなたの意思である『少しでも長くOB会を存続させよう』という思いに応えられればと願っています。

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観自在菩薩
行深般若波羅蜜多時
照見五蘊皆空 
度一切苦厄

東洋最大の哲学者である釈迦は、2500年前すでに我々の心身(五蘊)には実態と言えるものはなく、その空の境地なくして苦を度することはできないと看破しました。
ただ一方、残念ながら楽しいことがないと楽しくできない、悲しい時は悲しい我々です。寂滅現前しているあなたには滑稽でしょうが、まだ我々はそこまで到達できていません。不自由なこの身の面倒を見つつ、いましばらくこの世の修行を続けるしかないと思う今日この頃です。願わくはどうぞご慈愛賜わらんことを。

一周忌に寄せて、合掌

平成27年8月
板谷 宏之

なつかしい弘田君、あなたのおうちのあったマンションを傘さして見上げてました。
ご近所さんでしたから、コンビニで出会ったりしたものね。
あれから一年。相変わらず成長しないまま、私は年だけ重ねました。
これで同い年です。
これからは私がおばあさんになっていくばかりなのはちょっと悔しい。
あなたはきっと鼻のところに手を当てたりして、ふふんと笑うのでしょうね。

いろいろありがとう。
音楽を聴けば、また思い出します。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　54 谷中